ドナルド・トランプ米大統領が突如表明したシリアからの米軍撤退は今後、長きにわたって余波を広げるだろう。その前兆が26日に現れた。トランプ氏はイラクに駐留する米軍部隊を電撃訪問し、そこでシリア撤退の正当性を強調した。一方、ロシアはイスラエルによるシリア空爆を非難した。ここから垣間見えるのは、米国が抜けた空隙(くうげき)を埋めるのは何かということだ。イスラエルが自らの軍事行動を認めることはまれだが、同国はここ数カ月間、イランの息がかかった武装組織の拡大を阻止し、その勢いをそぐためにシリア国内の標的を攻撃し続けている。ロシアはイスラエルが「挑発的」行動をしていると非難。これに対しイスラエルは、シリア側から対空ミサイルが発射され、それを自国の防空システムが作動して迎撃したのだと反論した。