サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」から米欧出身幹部の流出が相次ぎ、PIFがサウジ経済の変革促進という大役を担うことが難しくなっている。PIFの規模はおよそ2000億ドル(約22兆円)。複数の関係者によると2018年、英国人の法務責任者やスイス人の公的投資担当トップ、スペイン人のプライベートエクイティ(PE)担当者がいずれも、就任後1年半を待たずにPIFを去った。戦略責任者の戦線離脱はさらに早かった。PIFは17年、オランダの金融大手ABNアムロ・グループからエリック・エバーマイヤー氏を引き抜いが、エバーマイヤー氏は実入りのよいその仕事を数週間のうちに手放した。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が圧倒的な力を持つファンドでは、自分には戦略に関する発言力がほとんどないと判断したためだという。
サウジ政府系ファンドから流出する米欧出身幹部 皇太子の影響も
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