米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は4日、インフレ率が抑えられているため向こう1年はより柔軟な政策決定が可能だとし、FRBは利上げに向けた既定路線を進んでいるわけではないと述べた。パウエル氏は米アトランタでFRB議長経験者らとのパネルディスカッションに参加。その中で、最近の市場の乱高下を踏まえ「政策を迅速かつ柔軟に調整し、適切なら、経済を支える政策手段を総動員する用意がある」と語った。こうした発言を好感し、米株式市場のダウ工業株30種平均は4日午前の取引で一時600ポイント近く上昇した。パウエル氏は「足元のインフレ指標が抑制的な中、われわれは経済動向を見極めつつ忍耐強く臨む」と指摘。相反するシグナルが発せられている場合、中銀当局者にとって「金融政策はリスク管理の様相が強まる」と述べた。