ドナルド・トランプ米大統領にとって、不法移民の取り締まりは主要な選挙公約の1つであり、現在はメキシコ国境に壁を建設する費用を巡る議会との攻防の争点になっている。不法移民問題の深刻さとその対処方法について、共和党と民主党の見解は異なる。トランプ氏は不法移民が犯罪に大きくかかわっており、財政にとっても負担だと述べるが、民主党は同氏が問題を誇張していると反論している。米国の移民に関わる重要な数字について考察する。米国の不法在住者の正確な数は不明だ。米国土安全保障省(DHS)の推計によると、2015年時点の不法移民は約1200万人と、2005年の1050万人、2010年の1160万人から増えている。一方、世論調査機関のピュー・リサーチ・センターが最近公表したリポートの推計によると、2016年時点の不法移民は約1070万人で、過去10年で減少している。両データからは、米国の不法移民は2000年代に急増したが、その後は増加ペースが減速しているらしいと分かる。
不法移民は「米国の危機」か? 数字で検証
犯罪増や財政負担を招くというトランプ大統領の主張の正当性は
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