市民に動いてもらったほうが満足度が高くなる

 さらに言えば、単に「まちづくりに市民や事業者の力が必要」と言うだけではなく、市民に汗をかいてもらってまちづくりを進めた方が、「市民の要望に応え続けるよりも市民満足度や定住希望率が高くなる」と私は考えています。

 例えば、各種の子育て補助金を支給する自治体を選んだ市民は、それよりも多くの補助金を支給する自治体があればそちらに移ってしまう可能性があります。しかし、子育て支援の取り組みが官民連携して進められ、特に自分も参加して子育てサークルを運営したような市民は、よほどのことがない限りその地域を動くことはありません。街に対する愛着がわき、活躍している自分を誇りに感じ、なにより日々の生活が楽しいからです。

 生駒市に関して言えば、音楽に造詣の深い市民が多く、音楽コンサートを毎年開催してきました。それだけでも市民には評価していただいていたのですが、市民からは「クラシックだけでなくジャズも聞きたい」「子ども連れで聞けるコンサートはできないか」などの多様なリクエストがありました。そこで生駒市では、コンサートそのものを市民にプロデュースしてもらう「市民みんなで創る音楽祭」をスタートしたのです。その結果、クラシックに加え、ジャズや和太鼓、民族音楽など多様なジャンルに広がり、厳粛に聴くコンサートから、子どもたちが泣いたり走り回ってもOKのコンサートまで、内容が多彩になりました。観客数も大きく増加し、観客の満足度も高まったほか、企画した市民や参加した市内在住の音楽家などが、まちづくりに協力してくださることも増えてきました。