ライバル企業と資産を共有することは、あらゆる点で想像にたがわぬ難しさを露呈している。仏自動車大手ルノーと日産自動車の提携関係(アライアンス)が、主導役のカルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受けてぎくしゃくする一方で、米フォード・モーターと独フォルクス・ワーゲン(VW)は独自の「グローバル・アライアンス」を構築する道を模索している。だが7カ月以上にわたる協議や報道の盛り上がりの末に、両社はそれぞれ中核となる主力分野に関しては何も合意できなかった。フォードにとっては米国で人気のピックアップトラック、VWにとっては欧州・中国向けの自動車だ。さらに、戦略上の焦点となっている電気自動車(EV)や自動運転技術などの分野もそうだ。