高齢者と看護師Photo:iStock/gettyimages

 【東京】タニグチ・タカヒロさん(28)が職場の老人ホームの廊下を歩いていたとき、ワイヤレスイヤホンにアラームが鳴った。入居者の1人をトイレに連れて行くタイミングであることを知らせるものだ。

 アラームの発信源は、入居者の腹部に装着された膀胱(ぼうこう)の変化を知らせる超音波センサーだ。これによって入居者の失禁を減らすことができたとタニグチさんは話す。

 世界有数の高齢化社会で労働市場がひっ迫する国の1つである日本では、介護需要がイノベーション(技術革命)や起業を喚起している。ウォークマンや世界初のメールを送れる携帯電話などのように、日本で生まれ、数年後には世界中で使用される機器がここから登場するかもしれない。

 排せつ予測デバイス「DFree(ディーフリー)」(「おむつ不要」を意味する「ダイパーフリー」の略)は、同製品を販売するトリプル・ダブリュー・ジャパンを起業した中西敦士氏が米カリフォルニア大学バークレー校で留学中に開発した。当初は利用者が自身の膀胱をモニタリングする機器を想定していたが、やがて介護にも役立つ可能性に気づいたという。

 介護者はトイレに誘導すべきかどうかを知る必要がある、と中西氏は話す。

 このデバイスは日本の150カ所の介護施設で使用されている。中西氏は米国にも販路を広げる構えで、ベンチャーキャピタルから1500万ドル(約16億3000万円。うち1000万ドルは株式)を調達した。