カルロス・ゴーン
写真:ユニフォトプレス

 カルロス・ゴーン日産自動車前会長をめぐる一連の捜査で東京地検特捜部は11日までに、これまでの逮捕容疑をすべて起訴した。事件の舞台は今後は法廷に移る。

 著名な「カリスマ経営者」摘発は世界的にも反響を呼んだが、同時に、検察自身の大きな転換をも象徴する事件となった。

 ひとつは政官界の汚職摘発を最高の勲章とする「贈収賄」中心主義から、政治資金規正法や金融商品取引法の「情報開示義務違反」摘発を強化する事件モデルへの転換。

 もうひとつは、密室での脅しすかしで被疑者から自白を得るスタイルから「司法取引」で核心の供述を得る捜査手法への転換だ。

 平成の終わりにその2つを体現したのが、ゴーン事件だった。

政策買収型事件の摘発が始まり
贈収賄はぴったりの犯罪だった

 特捜検察は、国家や経済社会の基本構造にかかわる不正の摘発を国民から期待されてきた。その不正の中身は時代によって変わる。