「優先順位」をつけられるようにメンバーを育てる
もしも、なかなか「仕事の優先順位づけ」が上達しないメンバーがいたら、マネジャーが1対1で、そのメンバーの業務を「マトリクス」に落とし込んで、優先順位のつけ方を一緒に考える機会を設けるといいでしょう。
ある大企業では、新入社員が2週間に一度、先輩メンターと「マトリクス」をすり合わせるというルールを設けたところ、短期間で正しく仕事の優先順位づけができるようになったそうです。このように、マネジャーがメンバーと定期的に「マトリクス」をすり合わせれば、みるみるうちに成長してくれるはずです。
その際に、参考にしていただきたいのが【下図】です。
これは、「優先順位づけ」が苦手なタイプごとに対応策を示したものです。
タイプ1は、ほとんどの業務を「(1)緊急かつ重要な業務」に分類してしまうパターンです。このタイプの場合には、メンバーが「(1)緊急かつ重要な業務」に分類した業務を、もう一度「マトリクス」に落とし込むように伝えるといいでしょう。徐々に、「優先順位づけ」の感覚を身につけてくれるはずです。
タイプ2は、「(2)緊急だが重要ではない業務」に追われて、「(3)緊急ではないが重要な業務」に着手できないパターンです。この場合には、(2)以外にも、気づかないうちに「(4)緊急でも重要でもない業務」をしてしまっている可能性があります。そのため、「期日管理」を徹底し、(2)と(4)の業務を減らすようにうながす必要があります。個別タスクごとに、マネジャーが期日をたずねることで、その意識を根づかせると効果的でしょう。
このように、「優先順位づけ」の感覚を身につけてもらうのに、最初は少々苦労しますが、これこそがマネジャーの仕事。彼らが成長してくれれば、チームの生産性は確実に向上していきます。