しかし実際にドラレコの映像を見た記者は「無理筋の作り話で、言い逃れとしか感じなかったですね」と話していたという。「はい、終わりー」も「落胆とか深刻なものでなく、軽い感じで『やってやったぜ』的に聞こえました」という感想だったらしい。

 第3回公判があったのは阪神大震災から24年の17日。

 高田さんの母親は意見陳述で「拓海は就職して家族を持ち、幸せになるはずでした。被告は罪の意識がなく自分を守るためにうそを言っている。私の大好きな拓海と、拓海の人生を返してください」と涙声で書面を読み上げた。

 弁護側は「追い抜かれた際に激情に駆られた事実はなく、追突時にブレーキを掛けており故意ではない」とし、殺人罪は成立しないと主張。

 検察側は「はい、終わりー」の声は「意図せず大事故を起こした者の言動には見えない」と主張。バイク追跡中に時速100キロ超で走行、追突時も96~97キロだったとし「ブレーキの弱さは明らか」と故意の衝突で、殺意は明らかと指摘。「被害者が死ぬような速度でぶつけるのは異常で、まれに見る殺人運転だ」として懲役18年を求刑し、結審した。

 閉廷後に遺族が記者会見し、映像を見た高田さんの妹は「軽い口調で、ゲームオーバーみたいに言っていた。クラクションの音や必死に逃げるバイクの音がずっと頭に残っている」と努めて冷静に語っていた。

あおり運転殺人は「通り魔」

 一昨年6月、東名高速道路で石橋和歩被告があおり運転の末に4人が乗った相手の車を車道上に停車させ、夫婦を死亡、夫婦の娘2人を負傷させた事故が発生し、クローズアップされた。