更年期女性「更年期」「更年期障害」という言葉で、女性を嘲笑する人が世の中には少なくありません(写真はイメージです) Photo:PIXTA

スーマラ武智「更年期」発言で
露呈した40、50代女性蔑視の現実

 昨年勃発した、お笑い芸人スーパーマラドーナの武智正剛さん(40)の「更年期障害かっ!」暴言騒動。今さら説明するまでもないが、この言葉はM-1グランプリの審査員である上沼恵美子さんに向かって、武智さんが自身のインスタグラムでライブ配信を行う中で発したもの。本人は動画をすぐに削除したが、時すでに遅し。ネット上であっという間に拡散され、ひと晩で多くの人間の知るところに。12月4日には、“更年期障害”という言葉が話題ワードの10位以内にランクインする事態となったのである。

 お笑いについてはまったく知識がないので、上沼さんの審査基準がどうなのか、武智さんがそれについてどう感じたのか、その心中を察することはできない。けれども「更年期障害かっ!」発言については、更年期世代の女性を取材し、メノポーズカウンセラーの資格を持つ立場としては看過することはできない。

 動画を見た。武智さんはやや笑いながら、そして馬鹿にしたような口調で「更年期障害かっ! って思いますよね」と言い放っている。顔は見えないが、おそらく「俺、いまオモロイこと言うたやろ」的なドヤ顔であったことは想像に難くない。中高年の女性にとって「更年期障害」というワードは最大限の辱めになるだろう――きっとそんな思いから発した言葉なんだろうなと感じた。

 ネット上も「彼が普段から女性蔑視をしていることがよくわかる」と、この発言には怒り心頭。だが、実は女性を嘲笑するための道具として「更年期」「更年期障害」のワードをドヤ顔で使用する人は、悲しいかな少なくないのが現実なのである。

 1つ、そんな例を紹介したいと思う。