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仏ルノーが、会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるカルロス・ゴーン氏の解任に踏み切る方針を固めた。ゴーン氏による不正の舞台が、日産自動車のみならず、(ルノーを含めた3社連合のオランダ統括会社を通じて)ルノーにも発展する雲行きとなり、体制刷新に動いた格好だ。
ゴーン氏逮捕から2カ月。いまだ、西川廣人・日産社長とティエリー・ボロレ・ルノー暫定CEOの両トップが、将来のアライアンスの方向性についてまともな議論を交わした形跡はない。ようやくゴーン氏を切り捨てたルノーではあるが、両社が冷静な協議を始められる状況にはない。
ルノーやその筆頭株主である仏政府の、日産に対する不信感はそれほどまでに根深い。ルノーを蚊帳の外に置いたまま、ゴーン氏失脚を演出した日産の奇襲攻撃は大きな禍根を残している。
ついに、仏政府は両社を経営統合させる強硬案を日本の政府関係者に提示したもようだ。ポスト・ゴーン体制をめぐる主導権争いは、沈静化するどころか、むしろ緊迫している。