浅島亮子
#10
日米関税交渉において、米国向け関税の引き下げと引き換えに合意した対米5500億ドル投資。その第1号案件は、いま実現に向けた調整が進んでいる。だが、この巨額投資を巡っては、日本の産業界に拭い切れない違和感があるのも事実だ。この対米投資は、日本にとって割に合う投資なのか。日米交渉の内幕をひもときながら、調印式への参加を見送った企業、そして日本向けの公式資料から消えた条項に迫り、日本側の損得勘定を検証する。

#8
日米関税交渉の最前線に立ち、「対米5500億ドル投資」という前例のない枠組みをまとめ上げた張本人である財務省の三村淳財務官が、90分にわたり交渉の舞台裏と、激変する経済安全保障環境を見据えた国家戦略の核心を明かした。産業界で根強い「米国有利」との批判に、財務官はいかに反論するのか。最大の焦点だった自動車関税を巡る攻防、EUや韓国との決定的な違い、そして財務省を“経済安保トップ官庁”へ押し上げるという覚悟とは。当事者だからこそ語れる本音と戦略が、次々と飛び出した。

#11
不適切会計疑惑に揺れるニデックが「改善計画」を東京証券取引所に提出した。上場廃止という最悪の事態を回避できるか、そして自らの手で統治の歪みと向き合えるのかーー。ニデック経営陣に突き付けられた、最後の説明責任の場でもある。果たして、ニデック経営陣は“自主点検”という名の下で、真相究明に踏み込めたのか。責任の所在は明らかにされたのか。改善計画を丹念に読み解き、三つの視点からその本気度を検証する。

#6
米国市場は、日本の自動車・自動車部品メーカーにとって、長年にわたり“稼げるドル箱”であり続けてきた。しかし今、その前提が崩れ始めている。関税政策、雇用重視の産業政策、EV(電気自動車)を巡る政治判断――米国では「売るなら造れ」という現地生産圧力がかつてなく強まっているからだ。本稿では、自動車・自動車部品メーカー上場80社を対象に、米国向け出資・資本金に着目し、独自の「米国依存」ワーストランキングを作成した。数字が暴いたのは、もはや引き返せない企業と、これから試練に直面する企業の明暗だった。

#5
日本の自動車・自動車部品メーカーにとって、中国事業は長らく成長エンジンだった。世界最大の市場を前に、各社は競うように工場を建設し、合弁会社を設立し、巨額の資本を投じてきた。だが、その経営判断がいま、企業の首を静かに絞め始めている。中国企業の急速な台頭とEV(電気自動車)・ソフトウエア分野での技術進化、さらに地政学リスクの高まりにより競争環境は一変し、日本企業は事業継続そのものを揺るがされる局面に立っている。自動車・自動車部品メーカー80社を対象に、中国向け出資・資本金という切り口から「中国依存」の実態を徹底分析した。そこに浮かび上がったのは、進むも地獄、退くも地獄という、日本企業の逃げ場なき厳しい現実だった。

#1
メード・イン・ジャパンのAIサーバーを作る――。台湾電機メーカーの鴻海(ホンハイ)精密工業と傘下のシャープが掲げた野心的なAIサーバー国産化構想に、半導体国策会社のラピダスが合流する見通しであることが、ダイヤモンド編集部の取材で明らかになった。さらに、この計画には補助金が投入され、国家プロジェクトへと昇格する見込みだ。世界のAII覇権競争で後れを取る日本にとって、この構想は起死回生の一手となるのか。AIサーバー国産化計画の全体像と、その裏にある日本側と鴻海側双方の思惑を解き明かす。

#10
ニデックを揺るがす不適切会計問題は、いま重大局面を迎えている。第三者委員会の調査で最大の焦点となっているのは、創業者の永守重信氏が一連の会計処理の判断に、実質的に関与していたのかどうかだ。ダイヤモンド社は、ニデックに提起された訴訟の裁判資料から、永守氏の経営への関わり方やニデックの企業風土を浮き彫りにする「極秘メール」を入手した。本稿では、このメールを全文公開。永守氏の意思決定プロセス、ニデックの権力構造、そして不適切会計疑惑との共通点を読み解く。

#7
ニデックを揺るがす不適切会計問題の真相解明が、いま重大局面を迎えている。第三者委員会の調査における最大の焦点は、創業者の永守重信氏が一連の会計処理の判断に、実質的に関与していたかどうかだ。ダイヤモンド社は、ニデックに提起された訴訟の裁判資料から、永守氏の意思決定との実態とニデックの企業風土を克明に示す「極秘メール」を入手した。そこには、ニデック経営の核心が凝縮されている。業界担当記者がこの内部資料を手がかりに、永守氏の意思決定プロセスや権力構造、そして不適切会計疑惑との共通点を読み解く。

#1
不適切会計問題で大揺れのニデック。その全容解明を目的に設置された第三者委員会の調査が、大詰めを迎えている。ダイヤモンド編集部は、調査協力を求められたニデック元幹部への取材を通じて、会計問題の核心に迫る衝撃的な証言を得た。浮かび上がったのは、巨額の減損処理が長年にわたり先送りされてきた可能性だ。このプロセスに、永守重信・グローバルグループ代表はどのように関与していたのか。元幹部の証言を基に不適切会計の実相を解き明かしていく。同時に、第三者委員会が見据える「着地点」を大胆に読み解く。

米国と中国の二大大国は、国家と企業が一体となり、AI(人工知能)の覇権を巡る総力戦を激化させている。AI半導体のサプライチェーン、エネルギー資源、安全保障を巡り、世界は米中の2つの陣営に分断され、対立はすでに、引き返すことができない臨界点を超えている。生成AIの爆発的な拡大によって、「計算能力」が国力を決める時代に突入。AIはもはや一産業の枠を超え、国家の競争と主権を左右する中核インフラとして、世界の産業秩序そのものを塗り替えつつある。米中が主導するAI産業戦争の最前線に立つ主力プレイヤーを大きな図解で一望する。併せて、この競争における日本の劣勢を容赦無く突きつける「三つの不都合なデータ」も明らかにする。

#1
メード・イン・ジャパンのAIサーバーを作る――。台湾電機メーカーの鴻海(ホンハイ)精密工業と傘下のシャープが掲げた野心的なAIサーバー国産化構想に、半導体国策会社のラピダスが合流する見通しであることが、ダイヤモンド編集部の取材で明らかになった。さらに、この計画には補助金が投入され、国家プロジェクトへと昇格する見込みだ。世界のAII覇権競争で後れを取る日本にとって、この構想は起死回生の一手となるのか。AIサーバー国産化計画の全体像と、その裏にある日本側と鴻海側双方の思惑を解き明かす。

#5
永守経営の暴走は、創業者・永守重信氏一人の問題ではない。異変を察知しながら沈黙し、礼賛を続け、結果として暴走を支えてきた「共犯者」が存在していた。御用アナリスト、忖度メディア、そして市場関係者――。ニデックには、経営を監視するどころか、持ち上げ続けた「応援団」がいたのだ。永守イズムを助長した「ニデック応援団リスト」を公開する。さらに、不適切会計問題の発覚後、水面下でニデックと距離を取り始めた金融機関3社の実名にも踏み込む。

#3
ニデック創業者の永守重信氏が電撃的に経営の一線から退いた。折しも、不適切会計問題を巡る第三者委員会の調査が大詰めに入っているタイミングだった。半世紀にわたりニデックを率いてきたカリスマ経営者は、なぜこの局面で突如として、表舞台から姿を消したのか。電撃退任の真相に迫る。この永守氏の決断は経営問題の幕引きを早めるどころか、むしろニデックの再生を難しくしかねない危うさをはらむ。本稿では、自力再生を阻む「二つの深刻な懸念」を明らかにする。

#1
不適切会計問題で大揺れのニデック。その全容解明を目的に設置された第三者委員会の調査が、大詰めを迎えている。ダイヤモンド編集部は、調査協力を求められたニデック元幹部への取材を通じて、会計問題の核心に迫る衝撃的な証言を得た。浮かび上がったのは、巨額の減損処理が長年にわたり先送りされてきた可能性だ。このプロセスに、永守重信・グローバルグループ代表はどのように関与していたのか。元幹部の証言を基に不適切会計の実相を解き明かしていく。同時に、第三者委員会が見据える「着地点」を大胆に読み解く。

ニデックの成長をけん引してきたM&Aの立役者が電撃退任――。その陰では、牧野フライス製作所のTOB(株式公開買い付け)撤回との因果関係が囁かれ憶測を呼んでいる。だが、波紋はこれだけにとどまらない。2024年4月に岸田光哉体制が発足して以降、経営幹部の退任が相次いでいるのだ。人材流出の舞台となった事業部門はどこなのか。

永守ニデックが提訴のダイヤモンド社訴訟「判決」、損害賠償請求額6600万円のうち55万円認容、記事削除・謝罪広告は棄却
2023年1月に、ニデックとその創業者である永守重信氏が、ダイヤモンド社らを相手取り提起した名誉毀損訴訟。このたび本件訴訟の判決が確定いたしました。双方の主張は真っ向から対立するものでしたが、2年5カ月に及ぶ訴訟の「判決内容と争点」についてダイヤモンド編集部がご説明申し上げます。

ニデックの成長をけん引してきたM&Aの立役者が電撃退任――。その陰では、牧野フライス製作所のTOB(株式公開買い付け)撤回との因果関係が囁かれ憶測を呼んでいる。だが、波紋はこれだけにとどまらない。2024年4月に岸田光哉体制が発足して以降、経営幹部の退任が相次いでいるのだ。人材流出の舞台となった事業部門はどこなのか。

#6
スキマ時間に働けるスポットワーク(いわゆるスキマバイト)」市場が急速に拡大する一方で、それに伴い、ワーカーが労務トラブルに巻き込まれるケースも急増している。スキマバイトの現場では何が起きているのか。東京都内にある18の労働基準監督署を管轄する東京労働局に、トラブルの実態や背景を聞いた。

#3
スキマ時間に働けるスポットワーク(いわゆるスキマバイト)市場が急成長し、その登録者数は3200万人に達した。今、スポットワーク仲介事業者各社はユーザーの獲得競争を繰り広げ、争いは熾烈化している。しかし、事業者の“真の実力”は登録者数だけでは測れない。そこで鍵となるのが、「1日あたりの稼働ワーカー数」という指標だ。この指標を基に、スポットワーク業界の真の勢力図に迫る。

#2
単発・短時間で手軽に働けるスポットワーク(いわゆるスキマバイト)市場に対し、厚生労働省が労働者保護の観点から包括的な対応に乗り出した。これを受けて、スポットワーク仲介事業者も表向きには「適正化」への対応を進める姿勢を見せている。しかし実際には、自社のビジネスモデルを守るために、裏ではさまざまな“抵抗策”を講じていることが明らかになってきた。そうした対抗策の中身について図解を交えて詳しく解説する。こうした動きが現実のものとなれば、厚労省が周知したルールが実効性を失い「骨抜き」になる恐れまで出てきている。
