“ポピュリズム”の台頭は
グローバリゼーションへの反動

 確かに、トランプ支持者、イギリスのEU離脱派、「黄色いベスト運動」の参加者、ヨーロッパ各地で移民排斥を支持する人々の中には、リベラルとはいえない価値観の持ち主も少なくない。

 フェイクニュースを信じ込み、過激な主張や行動に至る者がいるのも事実である。

 だが、目の前の現象を見て嘆くだけでは、問題の解決にはならない。

 こうした「非リベラルなポピュリズム」の台頭という政治現象を引き起こした原因は何か。それを防ぐことができなかったのはなぜか。

 もっと率直に言えば、リベラリズムを嫌う人々が、なぜこれほどまでに増えてしまったのか。

 まずは、こうした問いに答えなければなるまい。

 もっとも、「非リベラルなポピュリズム」がその勢力を拡大した原因については、今となっては多言を要しない。

 その原因とは、グローバリゼーションの進展である。

 グローバリゼーションは、格差の拡大、失業、賃金の抑制といった現象をもたらした。その結果、特に不利益を被ったのが、先進諸国の労働者階級や中低所得者層だ。

 この先進諸国の労働者階級や中低所得者階級が、ついにグローバリゼーションに対して反発し、そして、グローバリズムを否定するナショナリズムを掲げる政治勢力を支持するようになったのである。

 今、我々が目の当たりにしている「非リベラルなポピュリズム」の台頭とは、行き過ぎたグローバリゼーションに対する反動である。

 このことは、もはや誰の目にも明らかなように思われる。

労働者や低所得者は
リベラル派を支持せず

 むしろ問うべきは、「『非リベラルなポピュリズム』がこれほど蔓延する前に、どうして、その原因であるグローバリゼーションの行き過ぎを抑制できなかったのか」ということである。

 中でも、問題なのは、「グローバリゼーションが行き過ぎる中で、リベラル派は、いったい、何をやっていたのか」ということだ。

 というのも、グローバリゼーションの行き過ぎによって被害を受けるのは、労働者階級や中低所得者層である。

 そして、リベラル派が伝統的に関心を寄せてきたのは、まさに労働者階級や低所得者層など、いわゆる社会的弱者を保護するということのはずだからだ。