それでは、どのような性質の資金を投資に充てるのが適切なのか。「必要のないお金」や「なくなってもいいお金」と言うと語弊があるのだが、最悪のケースが起きて投資に充てていたお金が全てなくなってしまったとしても、すぐには問題にならないお金を投資に充てるべきである。筆者はよく「余資」という言葉を使ってしまうが、その表現は必ずしも正確ではないかもしれない。ただ、ここで言いたいことは分かっていただけるだろう。

 相場が大きく下がった日にTwitterやネット上の掲示板を見ていると、かなり怒っている投資家を見かける。筆者が証券会社や運用会社に勤務していた時も、やはり相場展開が軟調だと苦情の電話は掛かってきていた。自分の資産が目減りすることを快く思わないのは当然であるが、投資に充てている資金の性質や、全資産に占める投資資金の割合によって、相場が大きく下がった時の精神状況も異なってくるだろう。

 プロの投資家を目指しているのであれば話は変わってくるが、前述の様に将来の為の資産形成という目的で投資を行うのであれば、やはり相場が下がった時に精神衛生上、負の効果が生じるような資金を投資に充てるのは避けるべきだろう。

損失は限定的だが利益は青天井

 投資未経験者や初心者に見られる現象の1つに、過度に不安を抱いている点も挙げられるだろう。前述の様に、投資に適した性質の資産の範囲内で投資をしていた場合、仮に最悪のケースが起きたとしても、投資に充てた資産がゼロになるだけである。一方で、意外と語られることのないことだが、利益に関しては上限がない。つまり、「青天井」ということだ。

 どうも投資に対して過度に不安を抱いている方に話を聞いてみると、最悪のケースでは投資資産がゼロになるどころか、マイナスになると思っている節がある。つまり、借金をしたり、取り立てにあうと思っているようだ。

 どこでそのような情報を聞いたのかと尋ねると、たいていネットで拾った情報だというが、それはレバレッジをかけた場合に起こりうるケースでしかない。

 たしかに、短期間で資金効率を上げて、大きく稼ごうとすると、レバレッジを活用する必要も出てくるが、そもそも将来に備えた資産運用なのであれば、レバレッジを掛ける必要は一切ない。