毎月勤労統計の不正問題は、2つの観点から分けて分析すると実態が見えてくる。政府の各省庁の統計担当部署が抱える問題、そして厚生労働省に特有の問題である(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 毎月勤労統計の不正を巡っては毎日のように大きく報道されていますが、どうもいろいろな論点がゴチャゴチャに報道されているので、行政に馴染みのない一般の方には非常にわかりにくい構図になっているように思えます。本来、この問題は2つの観点を分けて考えるべきだと思います。1つは政府の各省庁の統計担当部署が抱える問題、そしてもう1つは厚生労働省に特有の問題です。

各省庁の統計担当部署に
共通する「オマケ仕事」的な位置付け

 まず、各省庁の統計担当部署の問題について考えましょう。

 毎月勤労統計の不正を受けて総務省が調べたところ、他の省が所管する統計でも、程度は軽微とはいえ、多くの不正があったことが明らかになりました。この事実からわかるように、政府の各省庁の統計担当部署には共通した問題が存在するはずです。

 それはひとことで言えば、統計を所管するどの省庁でも統計業務は政策立案のオマケ的な扱いになっており、政府全体でも統計の重要性は軽視されてきたということです。

 そもそもどの省庁でも、統計担当部署の職員の大半は統計に関する専門性を有さない一般職のノンキャリア官僚のはずです。それらの部署の局長・部長クラスや一部の管理職にはキャリア官僚がいますが、彼らは長年統計に携わり自らの統計業務には詳しくなっているノンキャリアと比べると、統計に関しては素人も同然です。キャリア官僚で望んで統計担当部署に来る人は皆無だと思いますし、2年くらいで異動する腰かけに過ぎません。

 かつ、統計を所管するどこの省庁でも、幹部は政策立案の方ばかりに注力し、統計業務にはほとんど関心がないと言っても過言ではないと思います。それに加えて、統計に関する予算と人員が年々減り続けてきたのだから、統計担当部署の職員が成果を出そうと頑張るはずがありません。むしろ、政府内で注目されないのだから、なるべく手間をかけず、かつ事を荒立てずにルーチンワークをこなそうとするはずです。

 つまり、毎月勤労統計に限らず、政府の統計担当部署の全体を通じて、構造的な問題があるのです。