残念ながら確かに主要項目を達成できず、大きな騒ぎになっています。私どもも自信を持っていましたし、社会全体の期待も大きかったと思います。大勢の脳梗塞患者がいて、SB623以外に希望がないのですから。1月29日以降、数えきれないくらいの患者から「開発を止めないでほしい」との声を頂いています。

 これから詳細に、慢性期脳梗塞の米国第2相臨床試験のデータ解析をしていきます。3〜4ヵ月で結果が出る見通しで、学会などで発表します。

 一方、慢性期外傷性脳損傷では、日本で今期(20年1月期)中の承認申請を目指し、米国で第3相臨床試験に進むというスケジュールに変更はありません。

——慢性期脳梗塞で米国第2相臨床試験をやり直す可能性は?

 データ解析の結果を見て、やり直す可能性はあります。

 一般的に、薬がよく効いた患者、そうでない患者のデータを踏まえて、再び試験に臨むことはよくあります。すべては詳細にデータを解析してからです。再試験の成功確率を上げようにも、失敗の原因によってやり方が変わってきますので。

 例えば今回、処方する薬の濃度を何パターンかに分けて試験したので、濃度が高ければ効くのかとか。あるいは脳に直接注射する方法ではなく、もっと吸収されやすいような剤形(薬の形)に変更するとか。

 今回の試験結果は非常に残念でしたが、安全性にはまったく問題ないという結果が出ました。そういう意味では希望を持っています。安全性にペケが付く(=毒性、副作用)と、開発は非常に厳しくなりますので。

 薬の世界の開発はうまくいくだけではなくて、成功確度としては一定のものがある。一度思った結果が出なかったからそこで諦めるのではなく、もう一度工夫をしてやり直してとかはよくあります。ですので、開発を諦めていないことを強調したい。1日でも早く、試験結果の究明をします。日本での慢性期脳梗塞の臨床試験はまだ始まっていませんが、こちらも諦めていません。

——第2相臨床試験をやり直すとすれば、再び多額の開発費が掛かります。開発パートナーである準大手の大日本住友製薬と折半とはいえ、ベンチャーにとっては悩ましいことだと思いますが?