スーツ姿で「だんごむし」の
自販機を回す中高年も

 商品開発に懸ける熱い思いを聞くと、まるでダンゴムシ愛好家と思われがちだが、誉田氏は“虫嫌い”なのだとか。

「本物のダンゴムシを飼うつもりもないし、『だんごむし』製作中にダンゴムシの画像を見るのもイヤでした(笑)。ただ、虫嫌いだからこそ“おもちゃのダンゴムシ”を作ることができたのかもしれません。リアルに寄せすぎると“一部の愛好家向け”の商品になってしまうので、誰もが手に取りやすいビジュアルにもこだわりました」

 虫嫌いの開発担当者が作った「だんごむし」というフレーズは、商品紹介文にも記載されている。その文言を読んだユーザーは「虫嫌いの担当者、かわいそう(笑)」などのツッコミを入れ、ネット上で注目を集めたという。

「ノンキャラクター商品の『だんごむし』は、開発ストーリーがポイントになる、と考えました。そこで宣伝担当者が『虫が苦手な開発担当者』や『開発期間2年』などのキャッチーな言葉をちりばめつつ、SNSを中心にプロモーションをしていきましたね」

 ノンキャラクターならではの戦略で話題になった「だんごむし」だが、発売直後の反響は予想をはるかに超えていた、と誉田氏は話す。

「発売当日、上野のおもちゃ屋に行くと『だんごむし』の自販機の前に長蛇の列があったんです。子どもから大人まで並んでいましたが、とくに印象的だったのは中高年のビジネスマン。スーツを着た40~50代の男性が『だんごむし』を購入する姿を見て、普段カプセルトイに興味がないライト層を取り込めたことを実感しましたね」