水泳日本代表の池江璃花子選手が自らのツイッターで「白血病」を公表、衝撃が走った。
順調すぎるほど順調に成長の階段を昇り、当然のように、2020東京五輪では“主役”のひとりになるだろうと期待されていた。
突然の赤信号。池江選手本人がいちばん衝撃を受けているに違いない。報道を総合すれば、病気が判明したのは2月8日。オーストラリア合宿で体調不良が顕著だったため、現地の病院で診断を受けたあとチームより先に帰国、日本の病院で検査を受けてのことだ。実はその前、昨年暮れのアメリカ合宿の際にも池江選手自身が不調を訴えていた。
疲れが1ヵ月も取れない。年明けに出場した都内の大会では、優勝したものの自己ベストより4秒も遅かった。その4秒は、「泳ぎが崩れている」というレベルではない。もっと深刻な身体の変調が原因だった。
池江選手がつづった
「日本選手権出場を断念」に滲む苦悶
池江選手はツイッターで次のように語っている。
『私自身、未だに信じられず、混乱している状況です。ですが、しっかり治療すれば完治する病気でもあります。
今後の予定としては、日本選手権の出場を断念せざるを得ません。今は少し休養を取り、治療に専念し、1日でも早く、また、さらに強くなった池江璃花子の姿を見せられるよう頑張っていきたいと思います。これからも温かく見守っていただけると嬉しいです』
これを読んで、誰しも痛切な思いにさいなまれただろう。私も、そのひとりだ。そして、将来を嘱望されながら、道半ばで競技生活を中断せざるをえなくなった若者を近くで見た経験を持つスポーツライターとして、この文章から浮かびあがるもっと切ない現実が脳裏をかけめぐった。
周りで支えるメディアや応援者の一人ひとりが今、覚悟し理解すべきことがあると思う。