早朝から筋トレで汗を流し、口角を1センチも上げて真っ白な歯を見せるとびっきりの笑顔、そして断られても決して諦めないスーパーポジティブ――平均年収4500万円、マンハッタンの金融エリートたちのセルフプロデュースの実態、そして顔の表情がビジネスにどう影響しているのかを解説する。(顔筋コーディネイター Katsuyo)
平均年収4500万!
NY金融エリートの日常とは
ニューヨーク、と聞くとすぐにイメージするのが摩天楼・マンハッタン。そびえたつ高層ビル。そしてイエローキャブとビジネスマン。そうそう、朝の通勤時にはイエローキャブがお決まりの渋滞でエリートビジネスマンが、渋滞のしびれを切らして途中下車。「釣りはいらないよ!」と粋な言葉とともにキャッシュを出しては、猛ダッシュでオフィスに向かっていく――。そんなシーンを誰もが想像しそうだが、実は本当のニューヨークのエリート男は、そんな無駄なことはしないのである。
ニューヨークのエリート男といえば、高収入が約束されている職種として、弁護士、薬剤師、医者、大学教授たちが挙がるが、そんな中でもウォール街で働く証券マンの平均年収は4500万円と、群を抜いて高い。筆者は、彼らの年収よりも、弱肉強食の業界の中でいつもハラハラしながら戦っているエリート男の思考習慣や生活環境に昔から関心が高く、今回このような執筆の好機会を通じてNYで証券会社のバンカーとして働いていたエリートから得たインタビューをもとに、リアルに書きつづりたいと思う。
まずは、先述した朝の光景をもう一度イメージしてもらいたいのだが、マンハッタンUPTOWNに住まいを持つエリート男たちは、DOWNTOWNのWALL ST.には毎日規則正しい時間に家を出て、きちんとSUBWAY(地下鉄)を使って、余裕を持ってオフィスに到着する。仕立てのよい良質な生地のスーツを身にまとい、色は濃紺のみ。ネクタイはほぼエルメス、髪形はお決まりの短髪。決して七三やセンター分けなどにはしない。まさに、アメリカで大ヒットドラマ「Suits」の主人公、ハービー・スペクターそのものである。
そんなエリートが欠かさずに行っている習慣が、ジム通いである。
日本でも昨年、流行語大賞で“筋肉は裏切らない”がノミネートされただけあって、近年は筋トレが大ブームとなっている。ライザップをはじめとするパーソナルトレーニングに、俗にいう“できる男”たちが熱中しているが、筋トレ習慣は、ニューヨークエリートにも絶対不可欠である。
ベテランエリートは早朝からジムに通い、朝に汗を流してから出社をする。一方、若手エリートは夜、ベテランエリートが帰ったらジムに向かう、というのが日常のことであるようだ。
筋トレが習慣の彼らは、口に入れる食事も当然のごとく慎重に意識をしている。FAT(脂肪)やCARBS(炭水化物)の調整には余念がない。そんなエリートは、酒は飲んでも飲まれるな、という意識は常であり、平日に酔っぱらって管を巻く、といった失態などは皆無である。