国税庁と保険冊子4月以降、統一地方選や参院選挙、消費増税が控える中で、政権与党を支える中小企業や士業団体を敵に回し、永田町を刺激しかねない税務の見直しを国税庁がどこまで押し通せるかにも注目が集まる 写真:西村尚己/アフロ

販売競争が過熱していた「節税保険」にようやくメスを入れた国税庁。生命保険業界に動揺が広がる中、税務ルールの見直し策が再編の号砲を鳴らしてしまった。(「週刊ダイヤモンド」編集部 中村正毅)

 生命保険業界で、中小企業経営者を主な対象にして販売競争が異常なほど過熱していた「節税保険(法人定期、経営者保険)」が、ついに販売停止になった。

 2月13日、国税庁が生保41社の担当者を緊急招集し、法人における支払保険料の経費算入ルールについて、抜本的に見直すことを伝えたためだ。

 国税庁が見直しの方向性として生保各社に示したポイントは、大きく三つある。

 一つ目は、長期平準定期や逓増定期をはじめ、これまで商品個別に決めていた損金(経費)算入割合の通達を廃止すること。二つ目は、新たな算入ルールについては解約返戻金の返戻率が50%を超える商品を対象とすること。三つ目は、解約返戻金のピーク時の返戻率に応じて、損金算入の割合を区分けすることだ。