国税庁の怒りが分かりやすいほどにじみ出ているが、ここまでの大幅なルール変更を、生保各社は全く想定していなかった。

 それだけに動揺は大きかったが、さらに担当者の顔を青ざめさせたのは、国税庁幹部の「いたちごっこを解消したい」という趣旨の発言だった。

 生保業界はこれまで、2008年の法人向け逓増定期や12年の同がん保険をはじめとして、個別通達の抜け穴を通すようなかたちで、支払った保険料を全額損金(全損)算入でき節税効果を高めた保険を新たに開発し、集中的に販売してはその後国税庁からダメ出しを食らうということを繰り返してきた。

 そうした過去の経緯や、今回の節税保険ブームの火付け役が業界最大手の日本生命保険だったこともあり、「『必要悪』として国税庁も一定期間は目をつぶってくれている」という認識が一部で広がり、「いつものように個別通達の見直しまでが勝負だ」といった声すら漏れていた。

 ところが、もはやそこに生保の期待していた予定調和はなく、あるのは「プラチナ型商品のような」と日生の商品を名指ししながら、いたちごっこと言い切って気色ばむ国税庁の姿だったわけだ。

生保と代理店が
震え上がる
解約ラッシュ

 その姿を見て、多くの生保担当者たちの脳裏をよぎった事柄がある。「既契約遡及」だ。

 これまでの事例を見ると、08年以降、逓増定期をはじめ3種の節税保険については、通達を見直した日以降の契約に対して新ルールを適用しており、既契約については不問としてきた。