ドナルド・トランプ米大統領がメキシコとの「国境の壁」建設費用を捻出するため国家非常事態を宣言したことに対し、米民主党のナンシー・ペロシ下院議長は20日、これを阻止する決議案を「早急に」可決させる姿勢を示した。共和党が過半数を占める上院では激しい議論が交わされるとみられる。民主党の下院議員に宛てた書簡でペロシ氏は、トランプ氏の国家非常事態宣言は米国憲法で定められた三権分立や議会の予算権限を損ねるものだと指摘。民主党の下院議員235人全員に対し、同宣言を無効にするためホアキン・カストロ下院議員(民主、テキサス州)が提出する決議案に賛成するよう強く求めた。トランプ氏は先週、再度の政府機関閉鎖を回避するため歳出法案に署名したが、同法案に含まれるメキシコとの国境に障壁を設けるための費用13億8000万ドルに不満を示していた。国家非常事態を宣言すると、議会を通さずに連邦予算を追加の障壁設置費用に充てることができるが、すぐに差し止めを求める訴えが起こされた。