SAVE BREXITのカードを掲げる英国民Photo:Matt Cardy/gettyimages

『週刊ダイヤモンド』3月2日号の第1特集は「今が全部ヤバい理由」です。地球規模の影響力を手に入れた超国家企業、魔力を失った市場の守り神、エゴむき出しの国家――。リーマンショックから10年が過ぎた今、これらが三位一体となり「次の危機」への扉を開きかねないリスクが、マグマのようにたまり続けています。三つの危機のうち、最後に紹介するのは、国家のむき出しのエゴです。「ああ、またトランプネタかあ」とまひしてしまうことこそが、危うさを招くのです。(本記事は特集からの抜粋です)

 まるで子供のけんかだ――。米トランプ政権誕生から2年が経過し、もはや、トランプ大統領の国家首脳らしからぬ発言は“日常”になった。

 そんな、トランプ大統領誕生をきっかけに、世界はまひしてしまったのだろうか。今、他の国家のトップたちも、エゴむき出しの言動に出ている。

 日々のニュースは流れ去っていくから、ついつい忘れがちだが、あらためてまとめて並べてみると、トランプ政権誕生後の異様さが分かる。次ページに、各国首脳のエゴむき出しの発言を並べた。

 イタリアの副首相が移民問題は「フランスなど一部欧州諸国が植民地化をやめなかったからだ」と断じると、フランス政府はイタリア大使を呼び出した。さらに、EU(欧州連合)の高官はブレグジットでもめる英国に対して「地獄の特等席が用意されている」と脅しをかけている。