こうした調査が示すのは、日本では、経営者に、情報化投資によって「新しいビジネスモデル」を創出して「売り上げ増」を目指し、付加価値を生み出そうという発想は極めて少ないことだ。

 日本企業の経営者のみが、世界の経営者と違った方向を向いているのである。

 私はこれを「日本の常識は世界の非常識」と呼んでいる。

 とはいえ、技術進歩でAIなどがさまざまな分野で導入され、またグローバル競争も激しくなるばかりだ。企業にとってはIT化への対応は避けられない。

 日本の経営者が持つ独特の志向を考えると、情報化投資が加速するなかで、人員削減が一気に進むのではと予想される。

情報化投資でなくなるのは
ルーティン業務

 日本でこれから、AIなどに仕事や雇用がどの程度、代替され、経済格差がどこまで拡大するのか。

 前回(2019年2月12日付け)の本コラム「非正規雇用140万人が7年後に職を失う、日本の格差拡大はこれからだ」で、その見通しを書いた。

 まず、今後、IT化で新たな雇用機会や所得増が期待できる人と、逆に仕事を失う人が出て、格差が拡大していく「スピード」を予測してみよう。

 前回、紹介した米国MITのデイビッド・オーター教授の論文にある「米国におけるルーティン業務及び非ルーティン業務の作業の割合」(図表3)によれば、米国では、「ルーティン業務量」は1985年から2000年にかけて、15年間で12%減った。