一部で「移民政策」ともいわれている入管法改正案が成立しそうだが、この政策は後世に計り知れない悪影響を与えかねない。実は100年前の日本でも同様の事態は発生しており、それは今日にまで在日朝鮮人差別問題として尾を引いている。(ノンフィクションライター 窪田順生)

「移民政策」は日本の労働者にも
百害あって一利なし

日本社会で事実上の「移民政策」を進めて、果たしてうまくいくのか
日本社会で事実上の「移民政策」を進めて、果たしてうまくいくのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 安倍首相が頑なに「移民政策」と認めない「外国人労働者の受け入れ拡大」を目的とした出入国管理法改正案が、なし崩し的に成立しそうだ。

 誰も投獄されていない特定秘密保護法や、物証のない首相の口利き疑惑の時は、この世の終わりのように大騒ぎするマスコミや野党も、驚くほどあっさりとした批判で終わっているからだ。

 だが、この政策は我々の子どもや孫の世代に、計り知れない悪影響を与える可能性が高い。

 前々回(『安倍政権の「移民政策」、実現なら日本の若者の賃金は上がらない』)も指摘したが、現在の日本の人手不足問題の多くは「雇用ミスマッチ」による「人手偏在」によるところが大きい。つまり、新卒ホワイトカラーの求人には過剰に人手が集まるのに、低賃金で辛い単純労働的な求人は見向きもされないため、「留学生」や「技能実習生」という弱い立場の「短期移民」への依存度が高まっている状況なのだ。

 こういう負のスパイラルを断ち切るには賃金アップと生産性向上、それができない経営者の淘汰しかないのだが、今回の移民政策への転換でそれが一気にパアとなる。