気に入らない為政者を引きずり下ろすため、罪のない人たちの生活を破壊し、難民が生ずるような状況を作り出している。

 むしろ米国のやっていることの方が、「人道に反する行為」だと思うが、一方で米国は支援物資を届けるからと、国境を開くよう要求している。

強国の介入で残るのは
内戦の泥沼と悲惨な暮らし

 大国が「大義」を掲げて他国に侵攻したり、影響力を強めようとしたりした例は、歴史上、枚挙にいとまがない。最近のイラクやアフガニスタン、シリアなどもそうだ。

 ブッシュ政権時代、「9・11同時多発テロ」事件(2001年)を首謀したアルカイダのビン・ラーディン氏の引き渡しなどを求めて、米軍がアフガニスタンを制圧した後、首都カブールでカルザイ大統領を取材したことがある。

 大統領邸を警護するのは海兵隊で、周囲は全て米軍で固められ、その中にポツンと大統領がいた。

 好感の持てる人物だったが、亡命アフガニスタン人の中から、米国が選んだのはこういう人か、と納得した。見栄えがよく、好感度の高い外向けの役者である。

 ベネズエラで、無名のグアイド氏に正当性を付与するには「独裁者と戦う民主化のヒーロー」に仕立てるのがいい、ということなのだろう。

 ウォール・ストリート・ジャーナルが「新しい民主的リーダー」とたたえるなど、米国の主要メディアも政権と足並みをそろえ、軍事介入の露払いをするかのような論調だ。

 中南米は、巨大な覇権国家の風圧にさらされ、多くの国は“隷属”を強いられてきた。歯向かえば、「非民主的」の烙印を押され、政権転覆や経済封鎖にさらされる。

 逆らって得はなく、かろうじてキューバ、ニカラグア、ベネズエラが抵抗を続けている。ベネズエラが倒れれば、ドミノ倒しも起きかねない。

 しかも強国が介入したの後に残るのは、終わりなき内戦と悲惨な暮らしだということも、歴史が教えている。

(デモクラシータイムス同人・元朝日新聞編集委員 山田厚史)