「お前たちは楽しんでいないのか」。映画「グラディエーター」のこの尊大なセリフが思い浮かんだのは27日、ドナルド・トランプ米大統領を非難するマイケル・コーエン被告の長い証言を巡って民主党議員と共和党議員がやり合うのを見ていた時のことだ。トランプ氏が恐ろしい人物たちと関係しており、同氏自身が偉大な人物でないことはあらためて証明された。ただ、民主党がトランプ氏を弾劾するには一人の元フィクサーの証言では足りないだろう。コーエン被告は、不動産王時代から10年にわたって自身が仕えた(盲従した、と今では言う)大統領を描写するに当たり、汚い名詞を惜しまなかった。「詐欺師」「人種差別主義者」「いかさま師」といった言葉で、「うその10年間」から自分を解放した。トランプ氏を守ろうとして議会などに数年間うそをついていたことを認めたが、現在は自身を破滅に追い込む真実を話しているという。本人は近く、大半はトランプ氏に関係のない罪で禁錮3年の刑に服する。