親を経済的にサポートして
いるなら扶養に入れられる!
前回の当コラムでは、『確定申告の医療費控除で知らないと大損しかねない「明細書の書き方」』を書いたところ、多くの人に読んでいただいた。やはり、税金を安くする確定申告ネタ、とりわけ、医療費控除をテーマとする記事は人気が高いようだ。
今回は、意外に忘れがちな「ヒトの控除」について取り上げる。
「ヒトの控除」とは、扶養控除のこと。会社員なら、勤務先から配布される書類(「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」)に、扶養している家族について記載すれば、確定申告をしなくとも扶養控除を受けることができる。
専業主婦や所得の少ないパート妻、高校生や大学生の子どもを自分の扶養にすることを忘れる人はいないだろう。しかし、「親」を扶養に入れることを忘れている人はたまにいる。
もちろん、「親を経済的にサポートしている」、「親の年金収入が少なく、一定額以下」など、一定の要件は満たす必要があるが、扶養に入れられるはずの親の「控除忘れ」はもったいない。
以前、私のところに相談に来た方で、同居の母親を扶養に入れるのをすっかり失念しているケースがあった。
相談者は50代の共働き夫婦。相談内容は、保険の見直しや子どもの教育費のやりくりなどだった。
最初に家族構成を聞いたところ、夫婦と子ども2人、そして妻の母親の5人暮らしだと言う。収入を把握するために源泉徴収票を見ていたら、妻の母親が夫婦のどちらの扶養にも入っていないことに気がついた。