春先は異動・入学・進学などで引っ越しの増えるシーズンです。私たちも家事代行の仕事で、引っ越し前後のお手伝いに入る機会が増えます。

 スムーズに新生活を始められる方がいる一方、スタートでつまずく方も少なくありません。「引っ越しはしたものの荷ほどきもできず、家の中がどうにもならないので助けてほしい」という切実な思いで依頼される方からは、こうしたエピソードをよくお聞きします。

 なぜこのようなことになってしまうのでしょうか。

 その最大の理由は、「引っ越し前後のアクションを間違えている」からです。

 実のところ、引っ越しの成否は、「引っ越し前にどれだけ正しいアクションを起こせるか」にかかっています。アクションの重要度を比率で表せば、引っ越し前が75%・引っ越し後が25%程度。具体的には、

【引っ越し前の重要なアクション(75%)】
・各部屋について、誰が、どのように過ごす場所なのか決める【使い方決め】
・使い方に沿って家具の場所を決める【家具の定位置決め】
・使い方に沿って必要なものごとに箱詰めする【荷造り】

【引っ越し後の重要なアクション(25%)】
・計画通りに荷ほどきと物の配置を行う【仮配置】
・実際に生活してみてのギャップを微調整する【物の定位置確定】

 となります。

 しかし、引っ越しが決まると、しなければならない手続きやお別れなどやることが山積みで、どうしても時間や心に余裕がなくなりがちです。そのため目先のことしか見えなくなり、荷造りにしても「とにかく目の前にあるものを段ボール箱に詰めなきゃ」と流れ作業になってしまいます。引っ越し当日も、適当に家具の置き位置を指定してしまいます。すると、引っ越した先で「あれはどこに入れたっけ?」「なんでこんな使いにくいところにチェストを置いちゃったんだろう」などと困ることになるのです。