結局、自分の仕業とは認めなかったが、その日の夜、問題の投稿内容は削除された。翌日からリカは体調不良で長期欠勤し始め、そのまま結婚退職で会社を辞めた。

 リカが辞めた後、彼女の机の引き出しを開けると大量の私物に交じって、処理していない膨大な伝票や書類が見つかった。恐らく今日子に押し付けるつもりで隠し持っていたのだろう。今日子は小川や所長に手伝ってもらいながら、休日返上で何とか終えることができた。

小さなトラブルを見逃さない!
上司の見る目が職場を救う

 リカのようなモンスター社員のせいで、周りの人間がやる気を失ったり、退職に追い込まれたりといった話をよく耳にする。また、最初はまともだった従業員が、職場環境のせいで問題社員化していくケースも少なくない。小さな問題を放置した結果、大きなトラブルに発展したり、目をつぶっていた問題の裏に、大きな問題が隠されていたりすることもある。

 最近ではSNSなどの普及により、今回のケースのように、モンスター社員が逆ギレしてネット上で会社や個人を誹謗中傷するという悪質なトラブルも増えている。特にネットやテレビで大きく扱われると、企業が大打撃を受けるケースも増加している。

 これらを法的に照らし合わせると刑事上では名誉棄損罪や侮辱罪などに、民事上では、不法行為(民法第709条)に該当する可能性がある。被害の状況によっては相手に対して慰謝料請求が可能だ。

 企業もこのような悪質トラブル対応に本格的に取り組み始めている。いったんネットに上げられた情報は取り消すことが難しい。というのも削除されても、第三者が文章やキャプチャー画像等を保存し、別のサイトでアップすることがあるからだ。その場合、サイト運営者がその問題の情報を削除に応じなければ、永久的に残ってしまう。企業は法的措置を検討することも大切ではあるが、従業員の教育を徹底させることが欠かせなくなるだろう。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため社名や個人名は全て仮名とし、一部に脚色を施しています。ご了承ください。