『週刊ダイヤモンド』3月16日号の緊急特集は「米中依存メーカーの分水嶺」です。自由貿易を前提に、生産・開発・販売戦略を立ててきた日系メーカーは、米中分断で大幅な戦略の修正を迫られています。そんな折、中国経済の減速が日系メーカーの業績を直撃。米中に依存する日系メーカーは、試練の時を迎えました。(本記事は特集からの抜粋です)
日本電産ショック――。1月17日、日本電産が2019年3月期の業績予想を修正した。それ以降タガが外れたように、中国減速と米中貿易摩擦を要因とした日系メーカーによる下方修正が相次いでいる。
目立つのは、中国市場向けのスマートフォン、自動車に搭載されるデバイスを造っているメーカー群だ。日本電産に続き、京セラ、TDK、ミネベアミツミなど大手電子部品メーカーはこぞって修正ラッシュとなった。アイシン精機やデンソーなどトヨタ系サプライヤーでもしかりだ。
電子部品メーカー、自動車部品メーカーは共に、完成品メーカーを支える“縁の下の力持ち”として優等生扱いをされてきただけに、集団で落ちこぼれて劣等生へと転落してしまったかのようだ。
「日本電産が飛び降りてくれたことで、中国を言い訳に修正しやすくなった」(自動車アナリスト)という背景もありそうだが、昨年10~12月期を境に、中国経済の潮目が変わったのも事実だろう。