女性ジョッキー・藤田菜七子騎手の活躍や、若手人気俳優のCM出演など、爽やかなイメージも定着しつつある競馬。その一方で、政府がギャンブル依存症対策案を進めるなどの動きもある。では、本当に競馬を取り巻く環境や雰囲気はかつてと変わったのだろうか。ファンの声をもとに探ってみた。(取材・文/フリーライター 有井太郎)
カジノをきっかけに議論
今の競馬は爽やか?
先日、政府はギャンブル依存症対策の基本計画案をまとめた。そのひとつとして、パチンコ店や競馬場などに置かれているATMの撤去を今年から始めるという。また、依存症患者の入場を規制する策として、顔認証システムの導入なども推進するようだ。
これらは、今後日本でカジノが解禁されることを見据えての方策であり、それを契機に、競馬や競輪、パチンコといった既存のギャンブルにも焦点が当たった形となる。
一方で、こと競馬については、昔ほどギャンブルのイメージを感じさせない話題も多い。例えば、読者も一度は見たことがあるかもしれない日本中央競馬会(JRA)のCM。2017年から現在までは、土屋太鳳に高畑充希、松坂桃李に柳楽優弥といった人気俳優が起用され、初心者として競馬を楽しむ様子を演じている。
それ以前も、有村架純や吉高由里子、佐藤健など、まさに爽やかな若手俳優が数多く起用されてきた。
さらに、最近はJRAで16年ぶりとなる女性ジョッキーが誕生。2016年からデビューした藤田菜七子騎手が話題となっている。また、一昨年は北島三郎の持ち馬であるキタサンブラックの活躍が、一般ニュースなどでも報道された。