米半導体業界はトランプ米政権に対し、中国との通商交渉で米半導体の輸入拡大を合意案に盛り込まないよう伝えた。米当局者は米国からおよそ1兆ドル(110兆円)相当を輸入するよう中国に要求しているが、半導体業界は自主的にその枠組みに入ることを拒否した。米国の生産コストは極めて高いため、中国に対し強制的な購入枠を設ければ、米半導体メーカーは事実上、中国での新規工場建設を余儀なくされ、中国に生産をコントロールされる事態に陥りかねないという。また米半導体メーカーは、中国の競合勢を利することにもなり、米企業の中国依存度を高めてしまうと主張している。米半導体工業会(SIA)のジョン・ニューファー会長は「数字が何であれ、中国による米国産半導体の購入は、市場原理に基づく環境に中国国家の影響を高めるというリスクから目を背けさせるためのものだ」と指摘。「商業上の成功は政府の命令ではなく、市場によって決まるべきだ」と述べた。
米中通商協議、米半導体業界は中国の大量購入案を拒否
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