エネルギー産業はシェールオイルと地政学的リスクをめぐって苦境に陥っている。米国のシェールオイルブームによって原油は供給過剰となった。さらに、時に予測不可能な石油輸出国機構(OPEC)の動きや、OPEC加盟国に対する米国の制裁が加わった結果、原油価格は大きく変動するようになり、エネルギー会社の株価には持続的な圧力がかかっている。現在、エネルギーセクターはS&P500指数のうち5.4%を占めるにすぎない。しかし、今年の本誌エネルギー座談会のパネリストは、株価が低迷している企業の中に真のバリュー銘柄があると見る。その一因は、米国の探査・生産・エネルギーインフラ企業が、規律ある資本配分、バランスシートの健全性、持続的な配当に重点を置き始めたことである。パネリストは年内の原油価格の大幅な上昇を見込んでいないが、1バレル当たり60ドル以上ならば優良企業にとって業績の妨げにはならないとみる。