ドナルド・トランプ米大統領はパナマ運河に対する中国の影響力を弱めたい意向だが、米資産運用大手ブラックロック率いるグループへの港湾売却を巡り、中国政府が自国の海運最大手に支配権を握らせるよう要求したことで、その取り組みは難航している。香港の複合企業、長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)はパナマ運河の2港湾と世界40余りの港湾を売却する計画だ。ブラックロックとコンテナ船世界最大手のMSCは3月、これら港湾を228億ドル(足元のレートで約3兆5000億円)で取得することで合意した。ハチソンおよび同社の港湾と中国とのつながりに、トランプ政権が安全保障上の懸念を提起したことを受けた動きだ。