具体的には、生産指数(鉱工業)、鉱工業用生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、所定外労働時間指数(調査産業計)、投資財出荷指数(除輸送機械)、商業販売額(小売業、前年同月比)、商業販売額(卸売業、前年同月比)、営業利益(全産業)、有効求人倍率(除学卒)だ。

 指数はこれらから機械的に算出しており、景気の動きを素直に客観的にみるにはいい指標だ。

 内閣府の景気動向指数研究会(座長・吉川洋立正大教授)が、この指数の中期的な動きを確認し、他の経済指標も考慮して、景気が後退局面から拡張局面に移る転換期(「谷」)や、逆に拡大局面から後退局面に移る境目(「山」)を判定する。

 一方で、月例経済報告は、内閣府が資料を作るが、関係閣僚会議に提出された後に、了承という経過を経て公表される「政府の見解」である。

 月例経済報告は、さまざまな経済指数を分析するとともに、指標の動きの背景にある経済環境や企業の景況感などを総合的に勘案した結果であり、機械的な算出ではないからだ。

 ざっくり言えば、景気動向指数は機械的な算出、月例経済報告は総合判断で、それぞれ景気を見ているわけだ。

 もっとも、機械的な算出なはずの景気動向指数でも、これまでの景気判断では首をかしげることも少なくなかった。

2014年消費増税前後で
景気動向指数は動いた

 今回の景気拡大でも、景気動向指数研究会は、2012年12月から続く景気拡大期間が今なお続いていると判定しているが、筆者としては異論がある。

 景気動向指数(一致指数。2015年=100)のデータを素直に見る限り、2014年4月の消費増税の悪影響はその前後ではっきりでており、そこに景気の「山」があり、2016年5月あたりで「谷」があるように見える(次ページ図参照)。

 その前の「谷」は、2012年11月(91.2)と、判定されているが、これは指数の動きをみてもはっきりわかり、その後、上り坂になっている。

 これは、野田政権から安倍政権への政権交代と完全に軌を一にしている。この判定については、誰でも異論がないだろう。