問題なのは、2014年4月の消費増税によって景気が後退したかどうかだ。

 景気動向指数をみると、2014年3月に105.6とピークになり、その後、ゆっくり低下し、2016年5月の98.0が底だ。

 しかし、この間については、景気の「山」や「谷」が判定できず、景気拡大がずっと続いていたというのが、景気動向指数研究会の判断である。

 研究会は、消費増税後の悪影響により景気が後退したとの見方について、これまで否定してきている。

 そのロジックは、2012年11月の谷以降、明確に「山」が見つからないというものだ。しかし、筆者の目には、2014年3月が「山」であるように見えるが、読者はどうだろうか。

 研究会の吉川座長は、2014年の増税前に、消費増税をしても景気への影響が軽微だと、発言していた。

 それは結果として間違いだったのだが、この座長発言があったために、その後の研究会の景気基準日付けを判断する時の議論が左右されたようにも思われ、すっきりしない印象だ。

 景気動向指数は、消費増税後、2016年5月に底をつけた後、緩やかに上昇し、2017年12月105.2がピークとなっている。そして、1年程度上下を繰り返して、ここ3ヵ月ほどマイナスで低下が顕著になっている。

 こうした指数の動きを見れば、2014年4月の消費増税後の景気判断や、今回の月例経済報告での景気の腰折れを否定する判断は、ちょっとおかしいと、筆者は思っている。

景気の「山」「谷」は
経済政策と外的要因の影響

 筆者は、機械的な算出の景気動向指数をより重視しているが、これまでのその動きを見ると、景気の「山」「谷」の転換点は、その時のマクロ経済政策(金融政策、財政政策)と外的要因(リーマンショックと東日本大震災)の影響ということで、ほぼ説明ができる。

 マクロ経済政策の効果ラグ(半年~1年半程度)を考慮すると、2000年11月の「山」は、2000年8月の「ゼロ金利解除」が契機になったことや、2008年2月の「山」は、2006年3月の量的緩和解除で2007年5月にピークの後ずるずると景気後退したことがわかる。