親会社が受け取った配当は、日本国内の労働者の賃金になるわけではなく、日本国内での設備投資に使われるわけでもなく、親会社の手元資金として積み上がったり、銀行への借金返済に使われたりするだけなので、日本の景気に貢献しないのである。

 せいぜい、親会社の株価が下がって株主が消費を手控える程度だろうが、日本は個人投資家が少ないので、株価の変動が個人消費に与える影響は比較的小さいと考えていい。

合意なき離脱だと
短期的には混乱するだろうが…

「合意なき離脱」だと短期的にはさまざま混乱が生じ、現地の経済や現地の人々にとっては深刻な問題だが、日本経済への影響という観点からは過度な懸念は不要だ。

 例えば税関が混乱して荷物が届かないといったことが起きたとしても、しばらくすれば荷物は届くから、時がたてば影響は減っていく。

 部品が届かないことで工場の生産が止まり、日本からの部品の輸入も不要になるかもしれないが、その分は部品が届き始めてから「払底した在庫水準を回復させるための大幅増産」によって穴埋めされるだろうから、少し長い目で見れば日本の輸出は減らないのだ。

 ヨーロッパ経済全体としての落ち込みが限定的で、イギリス子会社の損失が日本経済に及ぼす影響も限定的で、合意なき離脱の影響も短期的なものに止まるとすると、日本経済への悪影響は限定的だと考えてよさそうだ。