アル・ライズ、ジャック・トラウト 著
(東急エージェンシー/1994年)
商品力が他社に勝っていることよりも重要なのは、“一番手”であることだと著者は主張する。それには根拠がある。大西洋を最初に単独無着陸飛行した人は、チャールズ・リンドバーグだ。しかし、力量は上だったが、2番目に横断飛行に成功したバート・ヒンクラーの名前は誰も知らない。
市場をリードする商品は、ほとんどが顧客の心に最初に入り込んだブランドになる。レンタカーの米ハーツ、ソーダ飲料の米コカ・コーラ。日本でも日清食品のチキンラーメンは、いまだにトップ・ブランドである。
この「一番手の法則」の他にも、「世の中のブランドは確かにその通り」という22の法則が登場する。消費者心理と市場シェアには強い関係があることを再認識できる1冊だ。
(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)