最近のある朝、マンハッタン南部の職場に着いたエピファニー・デービス氏は携帯電話をチェックし、ニューヨークの富裕層からテキストメッセージで指示された品物を買いに行った。倉庫のような本社から徒歩で食品店に行き、「スマーティパンツ」ブランドの子供用ビタミン剤を買おうとしたが品切れだった。携帯で何度も道順を確かめながら歩き、食料品店で「ギタード」のミルクチョコレートチップを1袋買った。「ネスプレッソ」の店でコーヒーカプセルを3箱買うために地下鉄に乗り、その足で高級百貨店ブルーミングデールズに行って「エムジーウォレス」の紺色のバッグパック(245ドル)を受け取った。デービス氏が働いているジェットブラックは母親を顧客ターゲットにした買い物代行会社で、ウォルマートが昨年夏に立ち上げた。同社がこの分野に新規参入したことは驚きを持って受け止められた。年会費は600ドル(約6万6000円)でテキストメッセージで買い物(生鮮食品を除く)を依頼できる。ニューヨーク市には数百人の会員がいるという。会員はウォルマートからの勧誘か既存会員の紹介を通じて入会する。
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