メーキャップアーティストにメークをしてもらう
メーキャップアーティストの高橋弘樹さんにメークをしてもらう東京在住のオカザキ・セドリックさん Photo:Benjamin Parks for The Wall Street Journal

 【東京】中央大学経済学部の中河侑己さん(22)は昨年の就職活動で「秘密兵器」を使った。まつげビューラーと眉ペンシル、ほんの少しのコンシーラーだ。

 「就職活動の面接は毎回メークをしていた」と中河さんは話す。ファンデーションやコンシーラーをひと塗りして目の下のクマを隠し、ビューラーでまつげをカールさせて目を明るく見せる。眉毛は少し太く描いた。「面接だと距離があるので、眉毛は少し濃い目に描いたほうが印象がよく見える」。あまりに気に入ったため、4月からウェブメディア企業に勤務し始めてもメークを続ける予定だ。

 男性が採用面接や大事なプレゼンの前に散髪したりスーツを新調したりするのは珍しくない。だが日本や韓国をはじめとするアジア太平洋の一部地域では、多くの働く女性にとって不可欠な習慣を一部の男性が採り入れ始めている。メークでシミを隠し、肌のムラを消し、眉毛を整えて職場に向かうのだ。

 色のついたクリームや日焼け肌を演出するブロンザーは、男性にとって新しいツールではなく、アジアに限られているわけでもない。この地域では男性用スキンケア用品の確かな需要が以前からあった。ただ、日本の一部男性タレントが好む「ジェンダーレス」ファッションや韓国K-POPの男性グループメンバーによる入念なメークなど、一連のカルチャーが男性用メーク用品の新たな追い風になっている。ユーロモニター・インターナショナルによると、2017年には39億ドル(約4300億円)規模の世界男性用スキンケア市場の62%をアジア太平洋地域が占めた。