テキシア事件では、実質的な経営者で、「キング」と呼ばれたカリスマ詐欺師、銅子正人容疑者の他にも暴力団関係者が逮捕されましたね。新著の中でも詳しく書きましたが、「カネの匂いのするところにヤクザあり」です。その嗅覚は、一般人の想像を超えるものがある。また、なぜだまされるかといえば、日本人の金融リテラシーの低さに尽きると思います。

──どういうことでしょうか。

 日本ではいまだに“投資はバクチ”みたいな空気があって、教育の場ではまともに金融や投資について教える授業もなければ、そもそも教えられる人材もいません。そうした日本特有の土壌が、だまされる人々、つまり“カモ”を量産しているのです。

元本保証なんてあり得ない
せめて金利くらいは勉強すべき

──テキシア事件で言えば、どのあたりにそれを感じますか。

菅原 潮菅原 潮/神戸生まれ。元山口組系二次団体幹部。若くして反社会組織に身を投じ、仕手戦やインサイダー取引を経験。グレーゾーンのファイナンスや、国際金融を得意とする経済ヤクザとして活躍。タックスヘイブンにも複数企業を保有している。Photo by H.R

 テキシアもそうですが、まず「元本保証」をうたっているものはすべて詐欺といっていい。そもそも違法ですからね。それ自体わかってない人が年配者を中心に多すぎるのです。

 それとテキシアは月利3パーセントを謳っていましたが、この数字がいかにあり得ないかをわかっていない人が結構いるのは驚きです。これはもう知識不足というよりも“無知蒙昧(むちもうまい)”のレベル。そんな人間が欲にかられたらどうなるのか、火を見るよりも明らかでしょう。

──だます側はもちろん悪いのですが、だまされる側のレベルの低さも相当なものだと。

 その通りです。せめて経済の基本の「き」である金利くらい勉強しましょうよと言いたいですね。日本で唯一、元本保証に近い金融商品に国債がありますが、その金利がいくらか。10年物でせいぜい年利0.005パーセント前後、1億円買ったとして年に5万円程度の儲けですよ。