もしかしたら個性が
強いだけかもしれません

 また最近では、米ジョージア大学のパトリック・オコーナー教授らのチームが、20分間エアロバイクに乗るような運動をするだけで、重症のADHDの症状でも改善されるという画期的な研究を発表しました。周りの対応や運動などの環境によって症状が改善されることが近年報告されてきています。

 一般的にADHDというとマイナスのイメージを抱く方もいるかもしれませんが、最近になってプラスの側面もあることが分かってきています。例えば、注意力をコントロールできないことはある意味『視野が広い』ということです。衝動性が高いというのは『瞬発力が高い(エネルギーが高い)』ことでもあります。そのような個性をうまく活かすことができれば、社会で成功できる可能性もあるかもしれないのです。

 世界的に有名なエジソンは小さい頃は好奇心が強く、1つのことに集中できなかったと言われており、学校でも問題児とされていました。しかし、エジソンの母親は彼の力を信じて、学校をやめさせ自身で教育を行った結果、白熱電球から電話まで数々の革新的な技術を生み出す発明王となったと言われています。

 ADHDは子どもに遺伝する傾向があるのですが、昔から受け継がれているということは、私達の生命の中で何らかの必要があって存在する可能性があります。ADHDを個性として捉えることで、子どもの新しい能力が見えてくるかもしれません。