将来が不安です――。ガブリエル・トロバト氏は「SanTO」にそう打ち明けた。SanTOは宗教に着想を得て自身が開発したロボットだ。高さ約43センチで、カトリック教徒の家によくある小さな聖人像に似ている。違うのはコンピューターやマイク、センサー、そして顔認識機能を備えたカメラが搭載されているところだ。  トロバト氏がSanTOに触れて話しかけると、よく響く低い声で聖書の一節を引用して応える。「マタイによる福音書より。明日のことを思い悩むな。明日のことは明日が自ら思い悩む。