ドル紙幣写真はイメージです Photo:PIXTA

「Modern Monetary Policy(現代貨幣理論、MMT))をはじめ、金融、財政を一体として政策を遂行することを是とする「新理論」をめぐる論争が活発だ。

 来年の大統領選挙を控えた米国では、民主党などの候補予定者らが、欧州では欧州議会選挙を前にポピュリズム政党が、それぞれ拡張財政を求めていることが背景にある。

 世界経済の変調がいわれるなかで、主要国の中央銀行が次の景気後退期に利下げの幅が限られることも、こうした拡張財政を支持する声を後押しする。

 どこの中央銀行よりも明らかに政策の限界に直面する日本銀行にとって、こうした「新理論」が、景気安定や物価目標実現などの“助け舟”になるのか。

緩和期待が再浮上
注目される「現代貨幣理論」

 先月(3月14-15日)の日銀金融政策決定会合では、事前の予想どおり、金融政策は「現状維持」で据え置かれた。