昨年の通貨危機と債務危機の最中に容易に再選を果たしたトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、国内政治面では盤石に見えた。しかし、3月31日の統一地方選挙は、トルコの絶対的支配者であるエルドアン氏も無敵ではないことを示す喜ばしい証拠となった。  今回の選挙は恐らく、エルドアン氏が率いる公正発展党(AKP)にとって、2002年に政権を奪取して以来最大の戒めとなった。暫定集計によれば、全国81都市のうちAKPが支配権を確保したのは39都市で、選挙前の48都市を下回った。より重要なのは、野党・共和人民党(CHP)が、首都アンカラの市長選で勝利したことだ。