世界がリセッション(景気後退)に突入する危険があれば、政策担当者はこれを阻止しようと、迅速に対応する構えであったようだ。米国では、景気減速はまだ始まってもいなかった。1-3月期(第1四半期)の雇用は、昨年10-12月期(第4四半期)と同じペースで拡大した。企業の労働需要を測る上でより正確な指標である、民間部門の労働時間は現に加速した。世界に目を向けると、3月の中国購買担当者指数(PMI)は景気減速が収束しつつあることを示唆。ドイツ鉱工業生産が2月にやや改善したことで、こちらも景気減速に歯止めがかかりつつあるとの期待が高まった。要するに、景気後退懸念が完全に消え去った訳ではないが、金融市場を昨年襲ったパニックは、的外れであったことを恐らく物語っている。