サラリーマンでありながら海外の映画祭でグランプリを受賞した長久允氏。その思考法と脚本術を存分に伝える『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』が発売となりました。佐久間宣行さん、ラランド・サーヤさんも大絶賛する同書について、長久氏へのインタビューも交えて深堀りします。(聞き手・文/飯室佐世子)
感情を腐らせないために「感じたらすぐ言う」
会議の場で「ちょっとおかしいな」と思っても、「今言ったら空気が悪くなるかも」と違和感を飲み込んでしまうことはないでしょうか。
しかし、組織の中で働く以上、自分の中にある怒りや違和感をそのまま爆発させるわけにはいきません。
では、感情を腐らせないためにどうすればいいのか。長久氏が実践しているのが「感じたら、すぐ言う」ことです。
長久允:違和感を消すように嘘をつくのがきついと実感してからは、思ったことは、その場ですぐ言うようにしていました。
「~~というお話には違和感があるのですが、どうですか?」と。
相手を断罪したいわけではなくて、たとえば仕事なら「良いプロジェクトを作る」という共通の目的があるので、ズレている歯車を合わせに行く作業なんです。
「今言ったら空気が悪くなるかも」と飲み込んで熟成させた違和感は、やがて自分の中で毒になります。しかし、その場で「これ、変じゃないですか?」とフラットに伝えれば、それは業務改善の提案に変わります。
遠慮というコストを捨て、違和感を即出しすることが、結果的に良いプロジェクトへとつながるのです。
スマホを「タイムカプセル」にする。
妄想を混ぜて飛躍させる思考法
しかし、その場ですぐに解決できない巨大な違和感はどうすればいいのでしょうか。
長久氏は、日常の気になることや違和感をスマホにメモし続けているといいます。
それは単なる日記ではなく、未来の自分のためのタイムカプセルだと話します。
このタイムカプセルの中身を昇華する方法として、自身の仕事の企画のタネにするもよし、長久氏のおすすめは、「脚本を書くこと」だそうです。
長久氏は、脚本は誰にでも書けると語り、その種となるものこそ、違和感だと話します。
もちろん、事実(取材・経験)を脚本にするというのは難しいこと。そこでおすすめなのが、タイムカプセルに書き記した違和感に妄想を掛け合わせることです。
現実にないことをどんどん膨らませましょう。車が爆発する。妻が夫を殺す。死んだ人が生き返る。時間が巻き戻ったら。妄想の中では犯罪行為はありません。
妄想は「勇気」とも言い換えられます。
モラルだけは小脇に抱えて、現実から遠く遠くと思いっきり走っていきましょう。どこまで離れても、誰も怒りません。
――『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』P.72より
妄想の中では犯罪行為にはなりません。脳内だけはコンプライアンスから自由になり、非常識な妄想を5割混ぜることで、企画やアイデアは唯一無二のものへと飛躍します。
(本稿は、『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』の発売を記念したオリジナル記事です)
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佐久間宣行さん、ラランド・サーヤさん大絶賛!
それっぽいもの」ではなく、
「本当に心を動かすもの」を
表現がいまいちしっくりこない。
この仕事、自分がやらなくてもいいような気がする。
もっとおもしろいものを作りたい。
そんな悩みに、現役サラリーマンでありながら、海外の映画賞で「日本人初」の快挙を総ナメしてきた著者が答えます。
どうしたら、自分だけの表現をし、それを成果に結びつけられるのか。
どんな人でも、「あなたにしか作れない作品」を生み出せるようになる、まったく新しい脚本術が誕生しました!

これからの「世界のスタンダード」を伝える
いま世界で本当に評価されるものは、「何かに似ているもの」ではありません。
ハリウッドで必ず聞かれること。それは、
“What’s your VOICE?”
あなたのボイスは何ですか?
ということです。
つまり、他の誰でもない「あなたが」何を伝えたいか、ということ。
では具体的にどうすればいいのか。
すべてを自分で切り開いてきた著者が、包み隠さず伝えます。
真剣に表現したいと思う人、自分らしさを失わずに働きたいと思う人に、とても響く内容です。
本書の内容
はじめに
「この本の結論を先に言います。」
「それっぽいもの」は最低だぜ!
王道の脚本方式と完全自己流の脚本方式をミックスして
そもそも脚本家ってどうやってなったらいいかわからない問題
Lesson0 世界一になるまでの変則ルート
「私が映画を作ったのは32歳から! おせ~!」
一度は夢をあきらめて、就職! (挫折期)
CMプランナーから、店頭ビデオプランナーに (朦朧期)
倒れて気づく。「クライアントは自分」
そして世界一。日本人初の快挙を、まさか私が。
「そもそも映画ってなんなの?」
Lesson1 何を書く?
「脚本ってなんですか?」
設計図としての書式
Step0 私は何を書くべきなのかを見つける
Lesson2 王道! ハリウッド式脚本法
「で、どうやって書くの?」
Step1 「ログライン」を書く
Step2 登場人物を作り込む
Step3 3幕構成にする
Step4 シーンを作る シーンカード入れ替え検証
Step5 セリフとト書きを書く
Interval あなたが天才かどうかという重要な話。
Lesson3 誰でもできる長久式脚本法
「めっちゃ変な書き方。それでいい。」
Step1 はじめに「怒り」と「悲しみ」がある
Step2 音楽を見つける
Step3 エンドロールの歌詞を書く
Step4 映画のタイトルを決める
Step5 ポエトリーリーディング脚本法
Step6 そのセリフをシーンや人物に振り分ける
Step7 音だけの2時間映画を作る
Step8 直し続ける
Lesson4 迷ったとき役立つかもしれない裏技集
「何も浮かばないよ!」
裏技1 絶対に誰にも言いたくない思い出を書く。
裏技2 SNSには書けない「よくない感情」という金脈
裏技3 会話のセリフがうまく書けないなら
裏技4 設定がうまく伝わってないと感じたら
裏技5 タイトルから考えちゃうっていうのはどう?
裏技6 「ポエトリーリーディング脚本法」に欠かせない号泣プレイリスト
裏技7 「うまい」は敵!
裏技8 極論! 10年書かないでみる
裏技9 おもしろくなくてもいいじゃないか(本気で言っている)
Lesson5 書いたあとどうする?
「映像化しちゃう?」
お金集めをどうするか(自腹、賞金、クラファンそれぞれのやり方)
予算別! 映画の作り方(10万円、100万円、1000万円)
実写映画撮影現場での時間削減工夫集(事前準備と心持ち)
ロケ場所についての具体的解決案
Lesson6 あなたにしか作れないものがある
「情緒不安定なあなたは向いている」
「当事者しか知らない感情がある」
「だから、本当のことしか書かない」……