中国人富裕層の動向を反映すると言われるある酒造会社が目下、外国人投資家の心をわしづかみにしている。白酒製造の貴州茅台酒は近年、外国人投資家お気に入りの中国株2銘柄であるアリババ集団やテンセントホールディングスをしのぐ好調なパフォーマンスを示しており、年初来でもアウトパフォームしている。米国のミューチュアルファンドなど、大口投資家がこぞって資金を投じている注目株だ。同社の時価総額は1620億ドル(約18兆0400億円)で、酒造会社では世界トップ。英ディアジオと仏ペルノ・リカールの合計を上回る。浮動株ベースの時価総額では中国第4位だ。上海市場上場の貴州茅台酒株には、中国市場を外資に開放しようとする取り組みに加え、中国中間層の台頭に期待した取引を模索している外国人投資家の存在が追い風となっている。香港市場との相互接続を通じた外国人投資家の持ち株比率は前週末5日時点で9.5%。金額にして154億ドルと、上海、深セン市場に上場する銘柄で最大の水準だ。